西宮北口 歯医者 エイチアンドエル のブログ&コラム

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ホントに怖い歯周病・・・

歯周病とは

歯の周りの組織(歯肉・歯根膜・歯槽骨・セメント質)に炎症が起こっている病気です。
なんと!ギネスにも認定されています。
「全世界で最も患者が多い病気は歯周病である。地球上を見渡しても、この病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない。」
「歯周病は人類史上最も感染者数の多い感染症である。」

あなたは大丈夫ですか??
歯周病のセルフチェックをしてみましょう!(日本臨床歯周病学会)

・朝起きたとき、口の中がネバネバする。
・ブラッシング時に出血する。
・口臭が気になる。
・歯肉がむずがゆい、痛い。
・歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
・かたい物が噛みにくい。
・歯が長くなったような気がする。
・前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間ができた。食物が挟まる。

※上記の項目3つあてはまる
油断は禁物です。ご自分および歯科医院で予防するよう努めましょう。
※上記の項目6つあてはまる
歯周病が進行している可能性があります。
※上記の項目すべてあてはまる
歯周病の症状がかなり進んでいます。

また歯周病が全身に及ぼす影響が大きいことが研究によって分かってきています。
1.誤嚥性肺炎
2.心臓の病気(感染性心内膜炎など)
3.血管系の病気(動脈硬化など)
4.糖尿病の悪化
5.早産・低体重児出産
などなど

歯周病の予防は全身の病気の予防にも繋がります!


歯周病は歯肉炎と歯周炎に分けられます。

歯肉炎は炎症が歯肉のみに留まっている状態、
歯周炎は歯肉・歯根膜・歯槽骨・セメント質にまで広がっている状態。

歯肉炎の特徴
・赤色の歯肉。
・歯と歯の間の歯肉が丸みを帯び膨らんでいる。
・ブラッシングで出血する。
・腫れた歯と歯肉との間に歯垢が溜まり悪化する。

歯周炎の特徴
・赤紫色の歯肉
・歯と接している歯肉が更に腫れる。
・ブラッシングで出血や膿がでる。
・歯と歯の間が広がり、食べ物もよく詰まる。
・歯肉が退縮して歯が長く見える。
・歯周ポケットが深くなり歯槽骨が溶ける。

怖いところは、
自覚症状がほとんどない!
症状が自覚できるほどになるとかなり進行しています。


治るの??
現在では歯周病は予防でき治療も可能です。
大切なのは予防、診断、治療、そしてメンテナンスです。

歯周病の原因は何なのでしょう?
感染症なので、何かが感染して起こる病気です。
何かと言えば、、、「細菌」

細菌はどこにいるのでしょう?
よく耳にする「歯垢・プラーク」です、これは細菌が集まりバイオフィルムを形成して歯の表面にベッタリと付着しています。

では、予防のために大事なことは・・・
それを取り除くこと!

風邪の予防には「手洗い・うがい」ですよね、
これは風邪のウイルスなどを取り除いて予防していますよね。
同じように感染症である歯周病も原因である細菌を取り除くことで予防できます。
歯周病に罹っている方はそれ以上進行させないために原因菌を減らしましょう。
そのためにはやっぱり歯みがきが基本です!

その他、生活習慣(食習慣・喫煙・ストレスなど)や口腔内の環境(歯並びや不適合な冠など)も影響します。
生活習慣の見直しや口腔内の環境の改善も必要です。


歯垢・プラーク、歯石とは
歯垢・プラークは歯の表面に付着している細菌のかたまりです。
白色または黄白色をしているので目で確認しにくいのですが、舌でさわるとザラザラとした感触があります。
プラークはネバネバと粘着性が強いため、歯の表面にしっかりと付着し、強くうがいをしても取れません。
プラーク中には細菌が約600種類も存在しており、プラーク1mg当たりに細菌が約1〜2億個存在していると言われています。

歯石は歯の表面に沈着する灰白色・黒褐色の石灰化した物質です。
プラークが長い間付着した状態でいると、唾液に含まれるカルシウムなどによって石灰化して石のようになります。これが歯石です。

歯垢は歯みがきで除去できます!
歯石は自分では除去できないので、歯科医院での除去しましょう。

日頃の歯みがき(セルフケア)と定期的な歯科医院でのメンテナンス(プロフェッショナルケア)で健康を守りましょう!


歯みがきの話
歯垢・プラークをなくすことが歯周病の予防・治療の基本です。
歯みがきで除去すべきものは歯垢・プラークであり、食べかすではありません!
歯垢・プラークは歯の溝、歯と歯の間、歯と歯肉の境目に潜んでいます。
磨き残しがないように歯の形や隙間、境目を意識して磨きましょう。
歯ブラシ1本では磨き残してしまうので、補助としてフロス(糸ようじ)や歯間ブラシも使用しましょう。

現在では1日1回でもいいから十分に時間をかけて歯垢を完全に取り除くほうが歯周病の進行を防ぐ効果が高いとされています。

歯磨き剤を使用することは良いのですが、清涼剤が入っているので磨き残しがあっても口の中がスッキリして、磨けた気になってしまいます。
できれば最初は使用せずに歯ブラシだけで丁寧に磨きましょう、しっかり歯垢・プラークが除去できるとそれだけでも口の中がスッキリします。
歯磨き剤の中には歯石の沈着防止、歯肉の腫れや出血の予防、歯周病やむし歯の予防をうたったものがありますが、歯垢はあくまで歯磨きによって機械的に取り除く方法が一番効果的です。


歯周病の治療
歯周病の進行の程度により、いくつかの治療が適応されます。
①基本治療
歯周病の進行の程度にかかわらず、初めに行われるべき治療が歯周基本治療です。
原因である歯垢・歯石の除去、歯の根の面の滑沢化、グラグラする歯のかみ合わせの調整などです。

歯垢の除去(プラークコントロール)はご自身の日頃の歯みがきです。
歯石の除去は歯科医院で行うスケーリングです。

スケーリングは歯の表面や根の表面の歯垢歯石を器械で取り除くことです。
基本治療により歯周組織が改善されポケットの深さが浅く維持されればメンテナンスに移行します。

②外科治療
基本治療でも一部ポケットの深さが改善されず、ポケット内で細菌が生息しブラッシングで除去できない状態や歯周病の進行が進んでしまった状態に対して外科的にポケットの深さを減少させる手術があります。
また特殊な材料を使用して失われた骨を再生させる手術(再生療法)を行う場合もあります。手術はそれぞれの病態にあった方法が適応されます。
ポケットが改善されればメンテナンスに移行します。


歯周病は知らず知らずのうちに進行しています。
「自分は大丈夫!」とは思わず、一度歯科医院で検査をして現状を確認しましょう。
そして日頃のセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアをおすすめします!

歯周病に罹患している方は保険診療で治療を受けることができます。
1)検査ー歯の状態・歯肉の状態・レントゲン写真・口腔内写真など。
2)歯ブラシ指導ー日頃のセルフケアが最も大切ですので、歯みがきテクニックを向上しましょう。
3)歯石除去ー超音波を歯石に当てて砕いて除去します。(歯は傷つけません)
4)歯面清掃ープラークや歯石を付着しにくくするため歯の表面を滑沢にします。

歯みがきの状態、歯石の付着の程度、歯周病の進行の程度によって、治療回数は違います。
歯周病を改善して、気持ち良い口腔環境にしていきましょう!

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