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インビザラインとワイヤー矯正ならどっち?迷ったときの判断基準を解説

インビザラインとワイヤー矯正ならどっち?

 

インビザラインとワイヤー矯正のどっちが良いのか迷ったことはありませんか。歯の状態に合わせて最適な矯正治療を選ぶことで、悩みを解消できる可能性があります。

本記事では、インビザラインとワイヤー矯正を迷ったときの判断基準、それぞれの特性や適している人について解説します。

インビザラインとワイヤー矯正のどっちか迷ったときの判断基準

インビザラインとワイヤー矯正のどっちか迷ったときは、それぞれの判断基準が大変参考になります。

治療前、治療中、治療後の大切なポイントと、歯のきれいさを保つためのホワイトニングについても確認していきましょう。

適用となる症例

矯正治療の適用となる主な症例は、不正咬合と診断される場合です。不正咬合とは、歯並びが乱れていたり、上下の歯が噛み合わなかったりといった状態を指します。

不正咬合の代表例は、下記の通りです。

  • 出っ歯(上顎前突)
  • 受け口(反対咬合)
  • 八重歯や乱ぐい歯(叢生)
  • 開口
  • 顎変形症

矯正装置を使用し、歯や顎の骨に力をかけ少しずつゆっくり動かし、歯並びと噛み合わせを治療します。重度の顎変形症は、大学病院など施設の整った医療機関で手術が必要です。

参考:矯正歯科治療について|日本矯正学会

痛みや不快感の少なさ

ワイヤーに比べ、インビザラインの方が痛みや不快感は少ないといわれてています。治療に使う装置がそれぞれ異なるため、歯を動かす時の力のかかり方によるからです。

ワイヤーは直接歯に装着して力が加わると、歯が引っ張られたような感じがします。インビザラインはマウスピースの装着により、圧迫感や違和感を覚えるようです。

いずれも装置により歯を動かしていくための痛みであるため、数時間から数日で徐々に痛みは治まるでしょう。

参考:マルチブラケット法による矯正歯科治療は痛みますか?|日本臨床矯正歯科学会

歯を動かす量

ワイヤーとインビザラインでは、歯を動かす量が異なります。それぞれ装置によりかかる力が変わるからです。

1ヶ月で歯を動かす量は、ワイヤーで0.3mm、インビザラインでは1mmといわれています。インビザラインは、1週間ごとに1枚ずつマウスピースを交換し、0.25mmずつ動く仕組みです。

ワイヤーを装着することで歯を動かしますが、インビザラインは定期交換でワイヤーの2倍以上の効果が期待できるといえるでしょう。

装置の目立ちにくさ

装置が目立たないことで心理的負担が少なくて済みます。歯列矯正は口元の治療のため、見た目にもわかりやすいからです。

ワイヤーは、ブラケットを歯の表面に直接貼り付けるため、口を開くたびに装置が見えてしまいます。インビザラインは、マウスピースが透明に近い上に薄く作られているので、装着していても目立ちません。

装置が目立たない、周囲にも知られずに治療ができるインビザラインは、とても画期的な方法といえるでしょう。

虫歯・歯周病のリスク

矯正治療によって虫歯・歯周病のリスクが高まります。矯正装置が口の中にあることで、口の中の環境が大きく変わるからです。

虫歯や歯周病の予防には、規則正しい生活習慣を送りましょう。日々の食事内容や回数を見直し、食後には時間をかけて歯磨きを丁寧に行うことが大切です。

外出時など歯磨きができない場合は、うがいをするだけでも構いません。常に口の中を清潔に保ち、リスク防止へ意識的に取り組みましょう。

金属アレルギーのリスク

金属アレルギーのリスクも忘れてはいけません。矯正治療を受ける際は、矯正方法や素材に注意が必要です。

矯正歯科治療に用いられる金属材料は、アレルギーの原因となりうるニッケルやクロムなどが含まれています。アレルギーを起こしにくいチタンやセラミックの材料もありますので、状況に合わせて選ぶことが必要です。

金属アレルギーの場合、口内炎や唇の腫れ、皮膚の湿疹、痒み、赤みなどの症状が出ることがあり、改善するまで治療期間が伸びる可能性があります。

参考:矯正装置をつけてアレルギーが出ることがありますか?|日本矯正歯科学会

治療にかかる期間

治療期間は、年齢や症状によって異なります。矯正治療は顎の位置や大きさの調整や、顎の骨の中にある歯を動かしていくからです。

成人の場合、一般的には1〜3年かかるといわれています。子どもの場合、状態によっては数年に及ぶかもしれません。子どもの顎の成長過程においては、顎の成長も含めた治療計画に沿って進めることが必要です。

矯正治療後には、後戻りを起こさないよう、移動した歯をその位置に安定させる保定を行います。

参考:歯とお口のことならなんでもわかるテーマパーク8020|日本歯科医師会

通院の頻度

矯正装置の調整のため、歯科医師の指示に基づき定期的な通院が必要です。歯は少しずつ動いているため、状況を判断しながら調整をしていきます。

ワイヤーの場合は、1ヶ月に1回、インビザラインの場合は治療開始後は1ヶ月に1回、その後、2ヶ月に1回が一般的です。

また、治療中に虫歯になったり、矯正装置の破損や紛失があったり、何か予期せぬ問題が起こることも考えられます。その場合、当初の予定より治療期間が長くかかるでしょう。

治療費

治療を受ける医療機関によって治療費は異なります。価格帯の目安としては80万〜120万円です。

不正咬合の矯正歯科治療は自費診療で、健康保険が適用されません。顎変形症など、一部の疾患に起因するものについては健康保険の適用になる場合もあります。

治療費には、通院のたびに調整料がかかるところもあるようです。治療途中の歯の状態によっては、追加料金が必要になるなど、きちんとした説明を受けるようにしてください。

参考:治療費の目安はどれくらいですか?|日本臨床矯正歯科医会

食事・歯磨きのしやすさ

矯正する方法によって、食事・歯磨きのしやすさに違いがあります。矯正装置をつける前と後では、口の中の状態が変わるため、それぞれに合った対応が必要です。

食事内容によっては装置に食べ物が詰まるため、ワイヤーの場合は矯正用の歯ブラシを使うことでケアできます。マウスピースは歯に密着するため、必ず歯磨き後に装着するようにしましょう。

粘着性のある食事や、着色しやすい飲み物などは避けることをおすすめします。

自己管理のしやすさ

自己管理のしやすさは、インビザラインよりワイヤー矯正です。ワイヤーは自分で装置を外すことができないため、歯科医院で定期的に調整します。

見た目や通院の頻度、手軽さの面ではインビザラインが優れていますが、自身でのマウスピースの交換が必要です。ワイヤー矯正に比べ、自由が効く反面、治療には自己管理の部分も多くを占めます。

マウスピースの交換を忘れたり、万が一、紛失してしまったりする心配がある場合は、ワイヤー治療がおすすめです。

仕上がりのきれいさ

治療後の仕上がりは、ワイヤーもインビザラインも大差はありません。歯並びを整えることのゴールは同じですが、治療方法が異なります。

治療方針を決める段階で、ワイヤー、インビザラインのそれぞれの特性を活かすことができます。どこまで治療を望むかによって、最適な治療方法を選ぶことが大切です。

仕上がりに納得がいくよう、不安な点はしっかりと質問し、歯の状態に合った最適な治療方法を選びましょう。

後戻りのしにくさ

矯正後に歯並びが元に戻ってしまうことがあります。矯正によって動かした歯は、元の位置に戻ろうとする、後戻りという状態が起こる可能性があるからです。

長い治療期間を経て矯正した状態を維持するため、リテーナーという保定装置を使用します。後戻りを防ぐために定期的な通院と調整が必要です。

歯科医師の指示に従って、きちんとリテーナーを使用することで、後戻りしないようしっかりケアをしましょう。

ホワイトニング

矯正治療後は、ホワイトニングがおすすめです。整った歯並びをよりきれいに見せるため、ワンランク上を目指すことができます。

歯磨きや歯のクリーニングでは落とせない歯の着色など、ホワイトニングの薬剤を使用し、歯を白く美しくしていきます。

  • ホームホワイトニング(自宅)
  • オフィスホワイトニング(医院)
  • デュアルホワイトニング(自宅と医院の両方)

ライフスタイルや予算に合わせ最適なものを選ぶようにしましょう。

インビザラインとワイヤー矯正の特性

インビザラインとワイヤー矯正にはそれぞれ特性があります。

インビザラインは交換可能なマウスピースを使い、ワイヤーはマルチブラケットを歯に直接装着する方法です。メリット・デメリットを確認していきましょう。

インビザライン矯正とは

インビザライン矯正とは、マウスピースを定期的に交換しながら、歯を動かしていく方法です。口腔内スキャナーを用いて型取りを行い、個々に合ったオーダーメードの透明なマウスピースを作成します。

マウスピースは20〜22時間の装着が必要です。1週間ごとに自分で交換し、通院は2ヶ月ごとに調整していきます。

歯が動いていく過程に合わせ、場合によっては歯と歯の間を削ることもあるでしょう。

周囲に気づかれにくく、日常生活の制限も少なく進められますが、マウスピースの交換や管理は自身で行う必要があります。

ワイヤー矯正とは

ワイヤー矯正とは、歯に直接ブラケットという器具をつけ、金属製のワイヤーを通し、動かしたい方向に歯を移動させる方法です。徐々に歯を動かし、歯並びを良くしていきます。

ワイヤー矯正は、1ヶ月に一度、歯科医院に来院し調整が必要です。状況に応じて抜歯を行い、スペースを広げ、歯が動きやすくする場合もあります。

また、噛み合わせの調整で、補助用具として小さな医療用の顎間ゴムを使用する場合もあるでしょう。

インビザラインが向いている人

インビザラインが向いている人には次のような特徴があります。

  • 矯正していることを知られたくない
  • 歯科医院に頻繁に通えない
  • 調整中も食事を楽しみたい

それぞれ内容を確認していきましょう。

矯正していることを知られたくない

矯正治療を知られたくないと思う人がいるかもしれません。矯正は口元の治療のため、日常生活で人目に触れる部位だからです。

歯並びに自信がない、笑う時に口元を隠してしまうなど、悩みがある人は知られることなく矯正治療ができるのが理想だといえます。マウスピースが目立ちにくいことから、自然な口元を維持することも可能です。

矯正治療に抵抗がなくなれば、治療にも前向きになり、心理的負担も少なくなるでしょう。

歯科医院に頻繁に通えない

治療には定期的な通院が必要です。マウスピースによって、どのぐらい歯が動いているかを確認しながら調整をします。

インビザライン矯正は、2ヶ月に1回の通院のため、学校や仕事などで時間が取りにくい人にはおすすめです。また、自分で取り外しができるので、自宅でマウスピースを1週間ごとに交換する手軽さがあります。

交換の間隔や歯科医師の指示をきちんと守り、自分で管理することで理想の歯並びに近づくことができるでしょう。

矯正中も食事を楽しみたい

矯正中もこれまでと変わらず食事を楽しむ方法があります。マウスピースを外していれば、これまで通りの食事が可能です。

食事内容に制限はありませんが、糖分の多いもの・硬いものは歯に挟まりやすくなるため、避けるのがよいでしょう。

20〜22時間の装着時間以外は規則正しい食生活を心がけることが大切です。

食事前に外したマウスピースの取り扱いには気をつけましょう。紙に包んで誤って捨ててしまわないように管理が重要です。

ワイヤー矯正が向いている人

ワイヤー矯正が向いている人には次のような特徴があります。

  • 歯並びの乱れが重度である
  • 自己管理できる自信がない
  • 短期間で治療を終えたい

それぞれ内容を確認していきましょう。

歯並びの乱れが重度である

重度の歯並びの場合、ワイヤー矯正がおすすめです。金属製のワイヤーを使用して、機械的な力で歯を動かしていくことができるからです。

重度の叢生、出っ歯、受け口、過蓋咬合は、インビザラインが適さない症例だといえます。歯が動くスペースが足りない、抜歯が必要、骨格的な問題で外科手術が必要など、インビザラインでは治すことができない状態です。

重度の症例は、口腔外科や大学病院などの医療機関の協力を得ることもあります。

自己管理できる自信がない

ワイヤー矯正は、通院により管理を行います。自分では取り外すことのできない装置を装着するからです。

インビザラインはマウスピースを自分で取り外しする手軽さがある一方、自己管理の面が問われます。交換のタイミングを逃したり、見た目よりも自分で行ったりすることを手間に感じるという人もいるでしょう。

インビザラインに比べ、ワイヤーは短期間で治療が終わるため、時間をかけたくない人におすすめですが、装置の取り外しはできないため、必ず通院による装置の調整が必要です。

短期間で治療を終えたい

インビザラインに比べ、短時間で治療を終えられます。金属製のワイヤーを使用することで強い力をかけ、歯を動かしていくためです。

ワイヤー矯正の治療期間は、抜歯をしない場合、1年半〜2年、抜歯が必要な場合は2年〜2年半となります。歯を動かしていくスピードには個人差があるため、それよりも治療期間がかかる場合もあるでしょう。

治療後の後戻り防止にはさらに2年間の治療期間が必要です。

まとめ

本記事では、インビザラインとワイヤー矯正について、迷ったときの判断基準を解説しました。

適応となる症例や、虫歯・歯周病・金属アレルギーのリスク、治療にかかる時間や通院の頻度、治療費など、それぞれの特性やメリット・デメリットも紹介しています。

自身の歯の状態はどちらの歯科矯正治療に適しているか、ぜひ歯科医院で相談してください。

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