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インビザラインで受け口は治せる?メリット・注意点を徹底解説

インビザラインで受け口は治せる?

 

インビザラインは透明なマウスピースを使うため、目立たずに治療を進めることができます。しかし、インビザラインで受け口が治せるのか気になる人も多いのではないでしょうか。

インビザラインで矯正治療をおこなえば、受け口を治せる可能性があります。

本記事では、インビザライン矯正治療について解説していきます。受け口の治療方法や受け口になる原因、治療のメリットや注意点も紹介します。  

インビザラインで受け口は治せる?

インビザラインで受け口を治せるかどうかは歯の状態によって異なります。

インビザラインで矯正できる受け口、ほかの矯正方法との併用、また矯正が難しい症例をそれぞれ確認していきましょう。

インビザラインで矯正できる受け口

軽度な受け口はインビザライン矯正による治療が可能です。自分で取り外しができる専用のマウスピースを使い、徐々に歯を正しい位置に動かすことで歯並びを整えていきます。

治療前に必ずおこなうことは、歯科医師または矯正専門医による問診、口の中の診査、レントゲンや顔と口の写真撮影、デジタルスキャナーによる歯型の採取です。

また状況に合わせて、抜歯やあごの関節のX線写真、あごの運動機能検査などが必要とされています。

参考:矯正歯科治療について|日本矯正歯科学会

ほかの矯正方法と併用することもある

顎変形症と診断された場合には、ほかの歯列矯正との併用が考えられます。顎変形症とは、上下の顎の骨の大きさ、形、位置のバランス異常による顔の変形と咬み合わせの異常です。

ワイヤーの使用や1〜2週間の入院を伴う外科手術をおこなうこともあります。手術直後はチタンのプレートで移動した顎を固定し、上下の噛み合わせを整えるまでに1年はかかるでしょう。

固定したプレートは術後半年〜1年ほどで除去しますが、その後、歯が安定するように保定装置を使用する必要があります。歯の状態によって期間は異なりますが、約2年間は装着しなければなりません。

参考:「顎矯正手術を併用する矯正歯科治療」の実際|日本臨床矯正歯科医会

矯正が難しい症例もある

インビザライン矯正が難しいケースもあります。歯や顎の骨格の状態によっては適切な治療がおこなえないからです。

子どもの場合、永久歯の生え替わり時期は顎の骨の成長段階であり、どのような骨格になるかは予測がつきません。

大人の場合は、重度の歯周病などで歯槽骨と歯肉に炎症が起き、進行すると歯がぐらぐらして、マウスピースの使用ができないと言われています。

1つの歯科医院で矯正が難しいと診断されても、他の医院では矯正がおこなえる場合もあります。あきらめずに、他の医療機関で診察を受けるなどセカンドオピニオンを求めてみるのもお勧めです。

参考:アライナー型矯正装置(マウスピース型矯正装置)でどんな歯並びでも治療することができますか?|日本臨床矯正歯科医会

受け口になってしまう原因とは

受け口になってしまう原因には、先天的なものと後天的なものがあります。

先天的な原因としては遺伝による影響、顎の骨の発育不全や発育過剰、後天的な原因としては舌の位置や癖が挙げられます。

遺伝による影響

受け口の原因には遺伝の影響があると言われています。骨格的なものが原因の場合は、その可能性が高いでしょう。

受け口とは、下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせです。成長期の子どもで奥歯の反対咬合を放っておくと顔が曲がってしまうこともあります。

両親が受け口であれば、子どもへの遺伝が考えられるため注意が必要です。

乳歯が生えそろう3歳ぐらいまでに自然に治らない場合は、小児歯科専門医への相談をお勧めします。

参考:下顎前突を有する兄弟の治療から得た咬合誘導への示唆

顎の骨の発育不全や発育過剰

受け口の原因には顎の骨の発育不全や発育過剰があります。子どもの場合、歯や骨は成長発育で変化し、適切な矯正装置で上下の前歯を動かすことが重要です。

骨の大きさに問題がある場合、下顎の成長促進のほか、すべての永久歯に器具をつけ、最終的な噛み合わせを確認します。

顎の大きさに問題がある場合は、骨の手術を検討する必要があるでしょう。

参考:矯正歯科治療における標準治療の指針|日本矯正歯科学会

舌の位置や癖

受け口の原因には舌の位置や癖も考えられます。性別・年齢に関係なく、舌の動作や生活習慣などが関係しているかもしれません。

子どもの頃からのおしゃぶり、指しゃぶりなどの癖はありませんか。また、舌を前に押し出してしまう癖や、口呼吸、頬杖、うつ伏せ寝なども関係しているでしょう。

永久歯の歯並びが悪くならないように、乳歯の時期から舌を上手に動かすトレーニングや簡単な装置を利用したほうがよい場合もあります。

参考:歯ならび・癖|日本小児歯科学会

インビザラインで受け口を治すメリット

従来のワイヤーに比べると、インビザライン矯正をおこなうメリットはたくさんあります。

  • 装置が目立たない
  • 食事や歯磨きがしやすい
  • 痛みが少ない
  • 横顔(Eライン)が整う

それぞれ確認していきましょう。

装置が目立たない

インビザライン矯正は、装置が目立たないことが最大の特徴です。周りからも矯正治療中と気付かれにくいため、日常生活を変わりなく送ることができ、患者の心理的負担が軽くなります。

マウスピースは治療計画に基づき、ひとりひとりに合ったオーダーメイドです。無色透明に近く、薄いため、軽いつけ心地で歯茎にも当たりません。

特に人前に出るお仕事の人は、マウスピースを装着した状態の口元を気にせず過ごすことができます。

食事や歯磨きがしやすい

インビザライン矯正は、日常の食事や歯磨きへの影響がほとんどありません。マウスピースは自分で取り外し可能で、扱いやすさもインビザラインの魅力です。

1日の装着時間は20〜22時間ですが、食事の前に外し、食後は歯磨きを終えてから付けるようにしましょう。

装着したままのワイヤーとは異なり、食べかすが詰まることなく、清潔な状態を保つことできます。

また、ワイヤー矯正のように装置に詰まりやすい繊維質の野菜やお肉などの食事制限もありません。

痛みが少ない

インビザライン矯正は、ワイヤーに比べ痛みが少ないと言われています。それは、何枚ものマウスピースを使い、徐々に歯を動かしているからです。

痛みを感じるのはマウスピース装着から2〜3日後が最も多く、徐々に減っていきます。装着開始から1週間後には口内の違和感にも慣れ、痛みもなくなるでしょう。

痛みがおさまらない時は、担当医師に相談してください。マウスピースが当たる部分を削ったり、次のマウスピースに変更する場合があります。

横顔(Eライン)が整う

インビザライン矯正は、横顔(Eライン)を綺麗に整える効果があります。歯並びが改善されると治療後の口元の印象や横顔(Eライン)の変化に気付くでしょう。

ワイヤー、外科的手術と併用することで顎の輪郭にも違いが現れます。治療前後の状態を比較するため、治療後の検査は重要です。歯列だけでなく、顔の印象にも変化が見られるはず。
横顔(Eライン)の変化は、治療開始後6ヶ月〜1年ほどで実感することが多いようです。

インビザラインで受け口を治すときの注意点

ここで、受け口を治す際の注意点についてご紹介しておきます。

矯正期間・装着時間の長さ、医師の指示をきちんと守る自己管理が最も大切です。それぞれ確認していきましょう。

矯正期間・装着時間が長い

矯正期間・装着時間は、歯の状態によって異なりますが、治療には長くかかることを知っておきましょう。インビザライン治療はマウスピースを使い、徐々に歯を動かしていく矯正方法です。

全顎でおよそ約2〜3年かかります。マウスピースの装着時間は、1日20〜22時間、交換は1週間ごと、通院は4〜6週間ごとです。

治療後には保定期間があり、リテーナーという装置を使うことで、歯が元に戻ろうとする後戻りを防止します。

自己管理が重要になる

治療には自己管理が重要になります。治療を成功させるには、マウスピースの装着や虫歯リスク防止などの自己管理が不可欠です。

医師の指示のもと、1週間ごとにマウスピースを交換し、食事後はきちんと歯磨きをおこない口腔環境を清潔に保ちましょう。

万が一、矯正治療中に虫歯になってしまうと虫歯治療をおこなう必要があり、さらに治療期間が長くなります。

受け口を放置するリスクは?

受け口を放置すると、次のようなリスクがあります。

  • うまく咀嚼できない
  • 発音に影響が出る
  • 顎関節症のリスクが高まる
  • 胃腸に負担がかかる
  • コンプレックスの原因になる

それぞれ確認していきましょう。

うまく咀嚼できない

咀嚼が上手くできないことで、さまざまな影響が出る場合があります。固いものを噛めないと栄養バランスが乱れたり、顎の発育不全を引き起こしかねません。

上顎と下顎が左右や前後に極端にずれている、奥歯で噛んだとき前歯がかみ合わないなど、さまざまな場面で不自由なことが多くなるでしょう。明らかな症状がある場合は、かかりつけ医に相談をお勧めします。

発音に影響が出る

発音に与える影響には歯並びも関係していると言われています。おもに歯の隙間から息が漏れることによって起こる現象です。

下顎が前に出ている状態で噛んだとき、上下の歯の間に隙間ができると歯が噛み合いません。実際の発音は歯並びだけで決まるのではなく、舌の動きに癖がついてしまっているからです。

インビザライン矯正後に正しい発音の練習や、舌の動きの修正などのトレーニングを受けると良いでしょう。

顎関節症のリスクが高まる

受け口の放置はさまざまなリスクをもたらします。顎関節に負担をかけることで、顎関節症のリスクが高くなる原因のひとつです。

顎関節症の患者の8割近くが口を閉じているときに上下の歯もかんでいる癖が発見されました。顎関節や筋肉に持続的な負担をかけることで顎関節症を引き起こしやすくなっています。

片側の咀嚼、頬づえ、いつも同じ向きに寝る、口呼吸などの生活習慣から起こりやすく、改善には日常生活の見直しも必要です。

胃腸に負担がかかる

胃腸への負担も懸念されます。噛み合わせが不十分な状態だと、噛み砕くことができず丸呑みになり、体内での消化に時間がかかってしまいます。

日頃から、規則正しい生活習慣を身につけることが大切です。食事の際は、口を閉じて背筋を伸ばした姿勢を心掛け、時間をかけよく噛んで食べましょう。

大きな物を無理に一口で食べたり、片側だけで食べたりしないように注意が必要です。

口腔内環境が悪くなる

口腔内環境の悪化も招くことになるでしょう。口が閉じられず、口呼吸になり、口腔内が乾燥するからです。

口腔内の乾燥は、慢性扁桃炎の原因となり、それがさらに次の病気を引き起こす原因にもなりかねません。外敵の侵入を容易に許してしまう口腔粘膜を作ってしまいます。

歯並びの悪化や虫歯の増加にも注意が必要です。口腔内を清潔に保つため、日頃から歯磨きは丁寧におこなうようにしましょう。

コンプレックスの原因になる

受け口はコンプレックスの原因にもなります。受け口であることで、自分の横顔に自信が持てないからです。

思い切り笑えない、口元を隠しがちになるなど、周りの目や反応を気にすることで患者の心理的負担が増していきます。

自分に自信を持つためにも、インビザライン矯正で笑顔を目指していきませんか。

インビザラインで受け口を治療するときの費用

インビザラインで受け口の治療にかかる費用は医療機関によって異なります。

歯の状態や患者の希望、治療計画などで変わってくるでしょう。インビザライン治療は保険対象外のため自費扱いです。

以下は、一般的な治療費です。

  • 全顎:2〜3年/70〜100万円
  • 検査診断料:5〜10万円
  • 調整料:1回(2か月〜3か月ごと)/3,000〜6,000円

医療機関を決めるポイントは、矯正治療費、検査診断料、調整料など、治療にかかる費用を明確に提示しているかどうかという点です。

そのほか矯正専門医が在籍、納得のいく丁寧な説明なども決め手になります。

また、場所や診療日時など、今後の自身のライフスタイルに合わせて選ぶことも大切です。

まとめ

本記事では、インビザラインで受け口は治せる?について解説いたしました。

インビザラインで矯正できる受け口には、ほかの矯正治療との併用や矯正が難しい症例もあります。

受け口になってしまう原因や放置した場合のリスクを踏まえ、治療のメリットや注意点、費用についても、ぜひ歯科医院で相談してみてください。

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