ホワイトニングは歯が白くなり、見た目もよくなることで人気があります。
しかし、ホワイトニング後は、コーヒーで着色しやすいため、ホワイトニングの効果を維持できるよう食事制限や着色を防ぐ方法を知っておきましょう。
この記事では、ホワイトニング後の食事制限と着色を防ぐポイントについて解説します。
目次
ホワイトニング直後にコーヒーを避けるべき理由とは?
ホワイトニング直後のコーヒーを避けるのは、主に次のような理由があるからです。
- ペリクルが剥がれエナメル質が露出している
- コーヒーの色素が歯に沈着しやすい
ペリクルが剥がれエナメル質が露出している
ホワイトニング後の、最初の1時間は注意しましょう。ホワイトニング薬剤の漂白処置によって、歯の表面を保護しているペリクルが剥がれ、エナメル質が露出しているからです。
ペリクルは、歯の表面に唾液が触れることによって徐々に再生されます。しかし、エナメル質が露出しているときは、酸性の強い飲み物(グレープフルーツ、レモン、オレンジなど)に触れると、歯の表面が溶けやすいため注意が必要です。
また、歯の表面に色素が沈着しやすいため、漂白効果の維持が必要です。色の濃い飲食物(カレーライス、赤ワインなど)や喫煙を控えるようにしましょう。
参考:ホワイトニング|歯とお口のことならなんでもわかるテーマパーク8020
コーヒーの色素が歯に沈着しやすい
ホワイトニング後は、24〜48時間はコーヒーの摂取は控えるようにしましょう。コーヒーに限らず、ポリフェノールを多く含む食品は着色汚れ(ステイン)の原因になりやすいため注意が必要です。
ホワイトニングの漂白作用は、歯の表面だけでなくエナメル質を透過し、象牙質に まで及びます。ペリクルが剥がれることでエナメル質が露出している状態です。
ホワイトニング後は、着色汚れが起こりやすいと考えましょう。
参考:歯のホワイトニング処置の患者への説明と同意に関する指針|日本歯科審美学会
ホワイトニング直後にコーヒーを飲むときのポイント
ホワイトニング直後にコーヒーを飲むときのポイントが5つあります。
- 頻繁に口をゆすぐ
- 時間をかけて飲まない
- ストローを使って飲む
- 唾液の分泌量を増やす
- コーティング成分入りの歯磨き粉を使う
頻繁に口をゆすぐ
コーヒーを飲むときは、口をゆすぐことをおすすめします。歯の表面にコーヒーのステインが付着するのを防ぐ効果が期待できます。
歯の表面が乾燥していると、口内ステインが付着しやすい環境になります。コーヒーを飲む前や、飲み終わった後には、お水で口をゆすぐ習慣をつくりましょう。
口をゆすぐ場所が身近にない場合は、コーヒーを飲む際にお水を用意し、コーヒーとお水を交互に取ることでも代用できます。
時間をかけて飲まない
コーヒーはリラックスしたいときや、眠気を覚ましたいときに飲みたくなる飲み物です。特にホワイトニング直後は時間をかけて飲むことは避けましょう。
時間をかけて飲むことで、歯の表面にコーヒーのステインが付着しやすい環境をつくってしまいます。
コーヒーを飲む時間や回数をあらかじめ決めるなどの工夫が必要です。これにより、ステインが定着する前に飲み終えることができ、色素沈着も予防できるでしょう。
ホワイトニング効果を高め、維持するために時間管理を行うようにしましょう。
ストローを使って飲む
ストローを使ってコーヒーの飲み方を工夫しましょう。コーヒーができるだけ歯に触れないようにすることが大切です。
カップから直接飲むことで、口腔内にコーヒーが広がり、ホワイトニング直後の歯に着色する可能性があります。アイスコーヒーの場合はストローを使い、できるだけ歯に触れないように飲むのがよいでしょう。
カフェなどの外出先だけでなく、自宅でもストローを使うよう心がけることで、ホワイトニング効果の維持が期待できます。
唾液の分泌量を増やす
ホワイトニング直後は、唾液の分泌を促すような習慣をつけましょう。歯の表面の乾燥によって、コーヒーのステインが付着しやすくなるのを防ぎます。
よく噛んで食事をしたり、お口の体操や唾液腺マッサージをしたりするのがおすすめです。リラックスすることで自律神経が調節され、サラサラの唾液を多く分泌する効果があります。
酸っぱい食べ物を想像することで唾液を促す方法もあります。ホワイトニング直後には酸性のものに触れると歯の表面が溶けやすくなるため、実際に口にするのは避けましょう。
コーティング成分入りの歯磨き粉を使う
コーヒーのステインが付きにくい歯磨き粉を使用しましょう。歯磨きによる着色防止の効果が期待できます。
着色汚れの原因となるステインは、日々の生活において少しずつ蓄積されます。ステイン除去に効果的な歯磨き粉を使用し、プラークが残りやすい歯間や歯列のくぼみなどを丁寧に磨きましょう。
外食中や歯磨きをする時間がないときは、水でうがいをするだけでもかまいません。歯を清潔に保つための習慣を身につけましょう。
ホワイトニング直後の食事制限について
ホワイトニング直後は効果を維持するために次のような食事制限があります。
- 食事を始めてよい時間の目安
- 着色性食品を避ける
- 着色補助食品との食べ合わせに注意
- ホワイトニング後でも安心な食べ物・飲み物
食事を始めてよい時間の目安
ホワイトニング直後30分は、飲食は控えるようにしましょう。ホワイトニングの種類に応じて、食事内容に注意する時間が異なります。
オフィスホワイトニングは24時間、ホームホワイトニングは2〜3時間ですが、それぞれ使用する薬剤の濃度や効果に次のような違いがあります。
- オフィスホワイトニング:高濃度で即効性あり、色戻りしやすい
- ホームホワイトニング:低濃度で即効性なし、歯の内側に徐々に浸透し持続しやすい
効果や色戻りの違いにより、ホームホワイトニングの方が食事に対する時間が短くなっています。
着色性食品を避ける
ホワイトニング直後は、色の濃い飲食物は避けるようにしましょう。ホワイトニング後の12〜48時間は、歯の表面が構造変化を起こし、色素が沈着しやすくなります。
<避けるべき調味料>
- 醤油
- 味噌
- ケチャップ
- ソース
これらの調味料は色素がつきやすいものです。カレー、焼きそば、ミートソーススパゲティなどは控えるようにしましょう。
また、豆腐・豆乳などイソフラボンを含む飲食物にも注意が必要です。イソフラボンはポリフェノールの一種で、ペリクルを剥がすことでステインがつくられやすく、歯の黄ばみの原因になるでしょう。
着色補助食品との食べ合わせに注意
着色しやすい食品を避けること以外に食べ合わせにも注意が必要です。着色性補助食品を一緒に取ってしまうと、さらに着色の原因になるといわれています。
着色性補助食品は、口内を酸性に傾けることで歯のミネラルが溶ける脱灰となり、より着色しやすくなります。
代表的なものに、アルコール飲料、スポーツドリンク、炭酸飲料、ほうれん草、クエン酸、お酢、梅干し、レモン、みかんなどがあげられるでしょう。
ホワイトニングの効果がなくなってしまわないように、着色しやすい食品を重ねて取ることは避けましょう。
ホワイトニング後でも安心な食べ物・飲み物
食品には着色しにくい、安心な食べ物・飲み物もあります。色の濃いものを避けることで食事での着色の心配はありません。
食べ物では、お米、食パン、塩ラーメン、ホワイトソースを使用したものなどがおすすめです。飲み物には、牛乳、アルコールの場合は、ノンアルコールビール、白ワイン、焼酎などがよいでしょう。
着色しにくい食べ物や飲み物を取ることで、ホワイトニングの効果を長く維持することにつながります。
飲食物以外で歯を黄ばむ理由はある?
着色は飲食物以外にも日常生活におけるさまざまな要因によって引き起こされます。
以下に歯が黄ばんでしまう主な理由を3つあげます。
- 歯石の蓄積
- 加齢による変化
- 口腔内の乾燥
歯石の蓄積
歯石とはプラークと呼ばれる歯垢の塊が蓄積した状態です。歯垢が歯の表面や歯間などに付着し、石灰化することで歯石をつくります。
歯垢は生きた細菌の塊で、1〜2億個のさまざまな細菌が歯を溶かす酸や病原性物質をつくり、虫歯や歯周病の原因となっています。ネバネバして水に溶けず、うがいでは除去できません。
日頃から、こまめに歯磨きをすることで歯石の蓄積を予防することが大切です。歯石がたまってしまった場合は、歯科医院で相談しましょう。
加齢による変化
歯は加齢によって変化が現れます。薄い黄色の象牙質の色が濃くなる理由は、肌の老化と同じで、新陳代謝が原因です。
象牙質はエナメル質に覆われていますが、日々の食事で噛んだり、すり潰したりすることで、年齢とともにすり減って薄くなってくる傾向があるといわれています。エナメル質が薄くなることで、加齢により濃くなった象牙質が透けて見えるためです。
噛み合わせや食いしばりなどでもすり減ってくることがあり、生活習慣の影響もあるでしょう。
口腔内の乾燥
口の渇きを感じることはありませんか。何らかの原因で唾液の分泌が低下している場合に起こりやすいといわれています。
平均的な唾液の分泌量は、一日あたり約1〜1.5リットルで、唾液腺から出た唾液が口の中の食べかすを消化器官へと洗い流す作用があります。
唾液には抗菌作用もあり、口の雑菌の繁殖を防ぐほか、虫歯や歯周病の予防に効果的です。
口の渇きを感じるときは、こまめに水分を取るようにしましょう。改善されない場合は、歯科医院に相談してください。
歯の白さを維持するための生活習慣
ホワイトニング後は歯の白さを少しでも長く維持できるよう、生活習慣を変えることをおすすめします。
- 効果的な歯磨き習慣
- 喫煙習慣を改善する
- 追加のホワイトニングも検討する
効果的な歯磨き習慣
歯磨きの習慣を見直すことも大切です。普段の歯磨きの習慣を振り返ることで改善できる方法があります。
歯磨きのタイミングを毎食後に行うようにしましょう。歯磨き1回あたりの時間は3分が目安といわれています。歯磨きができない場合は、うがいやお水を飲むだけでもお口の中がすっきりするでしょう。
歯磨きでは落としきれない汚れもあるため、フロスや歯間ブラシの併用もおすすめです。
喫煙習慣を改善する
喫煙習慣がある人は、改善することも視野にいれましょう。喫煙回数が多いと、口内の環境が悪化し、歯の黄ばみの原因になります。
喫煙のタイミングを見直したり、1日の本数を減らしたりすることで習慣を変えることができます。また、喫煙後に歯を磨くことでヤニの付着を予防する効果もあります。
歯磨きが難しい場合は、うがいをするだけでもかまいません。喫煙後の口内の環境を整えるためにできることからケアを始めましょう。
追加のホワイトニングも検討する
ホワイトニング後に歯の黄ばみが気になりませんか。ホワイトニング効果の維持のため、再度ホワイトニングを行うことをタッチアップホワイトニングといいます。
タッチアップホワイトニングは、デュアルホワイトニングとも呼ばれます。オフィスホワイトニングの後、再度オフィスホワイトニングを行うか、もしくはホームホワイトニングを行い、白さを維持することが目的です。
ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングの色戻りを防ぐ役割があり、より白く自然な色が期待できます。気になる方は、歯科医院にてご相談ください。
ホワイトニング直後に関するよくある質問
ホワイトニング直後は、歯の表面が一時的に敏感な状態になります。そのため、飲食やケア方法に注意が必要です。
ここでは、ホワイトニング後によくある質問を取り上げ、具体的なアドバイスをお伝えします。
- ホームホワイトニングが終わった後は水しか飲めない?
- コーヒー着色を落とす歯磨き粉ってある?
ホームホワイトニングが終わった後は水しか飲めない?
ホームホワイトニング後は、飲食の制限がありますが、お水は飲んでもかまいません。ただし、ホワイトニング効果を高めるために2〜3時間は飲食を控えるようにしましょう。
ホームホワイトニングは、使用する薬剤が低濃度で即効性はないものの、薬剤が歯の内側に徐々に浸透していくため、効果が持続しやすいといえます。
オフィスホワイトニングは、薬剤が高濃度で即効性がありますが、色戻りしやすいといわれています。
使用する薬剤の濃度によって、ホワイトニングの効果が現れるまでの時間が異なるのです。希望に合う方法を歯科医院で相談しましょう。
コーヒー着色を落とす歯磨き粉ってある?
歯の表面に付着した汚れは、ホワイトニング用の歯磨き粉を使うとよいでしょう。
着色汚れを除去することで歯を白く見せる効果があります。 歯を白く見せる効果のある成分の代表例です。
- リン酸水素カルシウム
- 水酸化アルミニウム
- 無水ケイ素
- 炭酸カルシウム
なかでも、ハイドロキシアパタイトが配合された歯磨き粉は、エナメル質に傷がつくことを防いだり、傷を修復したり、ホワイトニング効果もあるといわれています。
まとめ
この記事では、ホワイトニング後のコーヒーはNG?食事制限と着色を防ぐポイントを解説しました。
コーヒーを避けるべき理由やコーヒーを飲むときのポイントを把握し、食事制限や着色補助食品との食べ合わせに注意しましょう。
飲食物以外でも着色する可能性があるため、生活習慣を見直すことでホワイトニングを維持し、効果を高めることにつながります。
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