こんにちは。西宮市高松町「西宮北口駅」より徒歩1分にある歯医者「西宮北口 歯医者 H&L」です。
よく行われる歯科治療として、根管治療が挙げられます。歯に細い針のような器具を出し入れする治療を受けた経験がある方もいるかもしれません。この場合、根管治療を行ったと考えて良いでしょう。
今回は、根管治療の種類や、治療が必要となるケース、治療の基本的な流れや費用・治療回数について詳しく解説していきます。
目次
根管治療とは
根管治療とは、名前の通り根管に対して行われる治療です。歯の神経の治療、歯の根の治療とも言われます。
歯の内部には、歯の神経や血管が通っている歯髄（しずい）と言われる組織があります。虫歯や外傷によって歯髄が炎症を起こすと、歯の神経を除去する根管治療が必要になります。
根管治療では、歯髄の内部組織を除去し、根管内部を洗浄・消毒し、封鎖します。この後、歯の機能を補うために被せ物を装着します。
根管治療の種類
一口に根管治療と言っても、歯の状態ごとにいくつかの治療法があります。根管治療の種類を解説していきます。
抜髄（ばつずい）
虫歯の進行、歯をぶつけるなどの外傷、噛み合わせが強いことによる刺激などによって、歯髄が炎症を起こた場合に行われる治療です。歯の神経を除去し、根管内部を洗浄・消毒します。神経と一緒に、血管も除去されます。
感染根管治療
歯髄炎が進行して神経が壊死した場合に、歯髄から歯の根の先までを洗浄・消毒する処置です。歯髄が壊死したまま放置していると、歯の根の先に膿が溜まるため、膿がなくなりきれいになるまで、根管治療を繰り返す必要があります。
再根管治療
再根管治療は、以前に根管治療を受けた歯に、細菌感染が再発したり、感染部位が残ったりした場合に行われる治療です。
根管治療はあまり成功率が高くなく、50%もないとされています。治療直後は問題がなくても、しばらく経ってから再感染を起こすこともあります。
問題なく根管治療を行っても、歯の根の形態が複雑な場合や枝分かれしている場合は、治療技術に関わらず感染部位が残りやすく、再発しやすくなります。
再根管治療により、根管内の細菌の減少が期待できます。初回の治療と比べて歯に与えるダメージは大きくなるので、破折などを起こさないためにも慎重な判断や治療が必要です。
根管治療が必要となるケース
根管治療が必要となるケースについて、症状と合わせて解説します。
歯髄炎
虫歯が進行し、歯髄にまで達すると歯髄が細菌に感染し歯髄炎になります。ズキズキと強く痛むようになっていることが多いです。人によっては眠れないほど強い痛みを伴う場合もあります。
歯髄炎になっている場合は、根管治療が必要になります。歯の神経を取り除く抜髄を行います。
歯髄炎の最も多い原因は虫歯ですが、虫歯になっていなくても、歯に強い力が加わると歯髄に炎症が起きて歯髄炎になることがあります。転ぶなどして歯を強くぶつけた場合や、噛み合わせが強いことで歯に強い力が加わった場合、知覚過敏による刺激が続いた場合などがあげられます。
歯髄壊死（しずいえし）
歯髄壊死は、歯髄炎が進行して歯の神経が死んだ状態です。神経が完全に死んでいると、痛みが無くなるため、良くなったかのように感じる方もいますが状態は悪化しています。
放置すると根の先に膿が溜まるようになるため、後に強い痛みが起こることがあります。感染根管治療をする必要があります。
根尖性歯周炎（こんせんせいししゅうえん）
歯の根の先端部分に炎症が起きて、膿が溜まった状態です。歯の根の先から炎症が広がり、歯を支える骨である歯槽骨は破壊されます。
歯根の先端に炎症があるため、噛んだときに痛みを生じるようになります。炎症が大きい場合には、歯茎や顎が腫れたり発熱したりして痛むこともあります。
根管治療の基本的な流れ
根管治療では、根管内の感染を取り除き、根管内に最終的な薬品を充填するまでを行います。基本的な治療の流れは、次の通りです。
抜髄
歯の神経が残っている歯が炎症を起こしている場合には、神経を取る処置を行います。神経を取ることを、歯科治療では抜髄（ばつずい）といいます。
最初に歯髄が見える状態になるように歯を削り、根管内に器具が挿入できるように歯の形を整えます。その後、細長い器具を使用して歯の神経を取り除きます。
根管内の充填物の除去
歯の神経を既に除去した歯が、歯の根の先に炎症を起こした場合には、根管内の充填物を取り除き、再び根管治療を行える状態にします。被せ物などをしている場合には、被せ物の上から穴を開けるか、被せ物自体を一度取り除いてから、根管内の充填物を除去します。
根管形成・清掃
リーマーやファイルと言われる器具を使用して、根管内部の感染した組織を取り除きます。根管は複雑な形をしているため、取り残しがないように注意しながら根管形成・清掃を行います。
根管内の洗浄
感染物が根管内に残らないように、薬剤を使って洗浄します。細菌が少しでも残っていると、炎症が再発するリスクを高めてしまうため、しっかりと洗浄を行います。
貼薬
根管内の洗浄は一度の治療では終わりません。根の先までしっかりと洗浄するために数回にわたり、根管洗浄から薬の塗布までを繰り返します。根管内に貼薬し仮の蓋をして次の治療まで待ちます。
歯の根の先に膿が溜まっている場合には、根の先の炎症が治まるまで洗浄と貼薬を繰り返します。
根管充填
洗浄によって根管内が根の先までしっかりと洗浄されたら、根管内に最終的な薬を充填します。根管内部の空洞を隙間なく埋め、再感染を防ぎます。
根管内にしっかり充填されたことが確認できたら、次は被せ物をするための治療に入ります。
最終的な復元
歯の機能を回復するために被せ物をして、しっかり噛める状態にします。歯の形態によっては、詰め物の治療で終わることもありますが、根管治療をした歯は脆くなっているため、しっかりと被せ物の治療をします。
被せ物をするためには、まずは被せ物をするための土台を築造します。その後形を整え、被せ物作製のための型取りを行い、完成した被せ物を最終的に取り付けて治療完了です。
定期検診
根管治療をした歯は、その後もできるだけ長く使い続けることができるよう、定期的に状態を確認します。再感染が起きていないか、噛み合わせに問題はないかなどを経過観察していきます。
根管治療の費用と治療回数
根管治療は保険適用での治療が可能です。3割負担の場合で 1,500円〜5,000円が相場です。歯によって根管数が異なりますが、根管の数によって費用が変動します。根管治療には、診察料やレントゲン費用、薬剤の費用などが含まれます。
治療回数は、根管の炎症の状態により異なりますが、平均して3〜4回程度です。歯の根の先に膿が溜まっている場合には、さらに時間がかかって7〜8回に及ぶこともあります。炎症の程度が軽いほど、治療回数は少なくなります。
自費診療の根管治療
根管治療は保険適用で治療が可能ですが、自費診療も選択できます。自費診療で行う場合は、歯1本あたり5万円〜15万円程度です。歯科医院によって料金設定が異なり、前歯よりも奥歯のほうが費用が高くなる傾向にあります。
保険と自費の違い
保険診療と自費診療の違いは、精密な治療ができる点にあります。保険診療では使用できる薬剤や器具が限られているため、精密な治療を行うのが難しいことがあります。
しかし、自費診療では最新の器具を使用し精密な治療を行うことができます。治療時間の制限もありません。
精密な治療を行えるので、炎症が再発するリスクを抑えられます。治療の成功率が非常に高くなります。
まとめ
根管治療は、歯の根の治療、神経の治療と言われるもので、根管内が感染した場合に行われます。治療するケースには、虫歯などが進行して歯髄炎を起こした場合や、歯髄炎を放置して歯髄壊死を起こした場合、根尖性歯周炎を起こした場合が挙げられます。
いずれの場合も、根管内部が根の先まできれいになるまで洗浄・消毒を繰り返します。根管内がきれいになったら、最終的な薬剤を充填します。
根管治療は保険が適用されますが、自費診療でより精密な治療を行うことも可能です。自費診療の場合は、炎症が再発するリスクを抑えられます。
根管治療を検討されている方は、西宮市高松町「西宮北口駅」より徒歩1分にある歯医者「西宮北口 歯医者 H&L」にお気軽にご相談ください。
当院は、生涯にわたる健康を重視して診療にあたっています。マウスピース矯正や予防歯科、インプラント、ホワイトニング、虫歯・歯周病治療など幅広く診療を行っています。